久々に読書。

密やかな結晶 (講談社文庫)

密やかな結晶 (講談社文庫)

久々に読書した気がします。6ステイン以降次郎*1風太*2も最初の方で挫折してます。
博士の愛した数式が映画化とかで、前々から気になってはいたのですが、初挑戦。文体は自分好みでさくさくっと読み進めていけましたが、怖かった。もうなんというか怖かった。面白かったんだけど怖かった。
少しずつ狂っていく世界、緩やかな狂気、なのでしょうか。全体的に静かな調子で書かれているだけに怖さが増すといいますか。最初は「秘密警察」や「記憶狩り」などの発想にひきこまれつつ先が気になって仕方がなかったのですけど半分すぎた辺りからだんだんホラー。ページ捲るのが怖いのなんの。でも現実でもあり得る、というより実際こういうことあるよねっていうのが矢張り怖いです。近所のスーパーの土地に元々あった建物が今では何だったのかもう思い出せなかったり、知っていたはずの道具の使い方がわからなくなってしまっていたりと、こうやって自分も日々記憶を失いつつあるわけで。
いや、でも怖かった。

*1:プリズンホテル

*2:警視庁草紙